アンダーコントロール
先日、電車に乗っていた時の話。
その車両には二人掛けの席が向かい合わせになるボックスタイプの席があって、そのボックスタイプの背もたれの裏には進行方向に対して垂直の二人掛けの席がある。そしてその席がドアに隣接している。電車は都内から離れ、大きい駅も過ぎ車内の人はまばらになってきていた。
そこで、僕の見ている前である女性がちょっと衝撃のことをした。
ドアに隣接している二人掛けの席が空いた瞬間。
待ってましたというように靴を脱いで座席に乗り座った。
進行方向と平行に、ぺたんと女の子座りで。
めっちゃくつろいでいる感じで。
僕は少々驚いた。
だって電車って限りなくパブリックなスペースじゃん。
そこでそんなプライベートモードを披露するとは。
ためらいとかないのだろうか。
いくら本人がプライベートみたいにくつろいでいても、人に見られているわけだし。
あんまり良くないよ。
でもそういうことって、少しだけ自分もやってみたいというような気持ちがあるよね。
なんなんだろう、この抑圧された衝動めいたものって。
だからといって今後彼女と同じことをするかというと、それはないのだが。
きっとその女性は、その衝動めいたものが抑えきれなくなった結果あんなことをしたんだろう。
きっと僕が今日、夕食をあれだけ食べたのに寝る前にゼリーを食べたのもその作用だろう。
いやそれは単に意思が弱いだけか。ゼリーみたいにぷるんぷるんだっただけか。
衝動は正しく使いましょう。